「仁義なき戦い 広島死闘篇」再見
講談版「仁義なき戦い」をまとめるにあたって、映画「仁義なき戦い」第二作目の広島死闘篇を再見しました。
はじめて観たのは、講談版口演の前の予習で。内容を知らずに、どうなるどうなるとワクワクしながら講談版を聴くのもよいですが、より愉しむためには元ネタを知っておいたほうがよいだろうと判断しました。
だって、講談の侠客物の代表といえる清水次郎長伝。例えば荒神山、これ聴いていて難しいのは、出てくる人物が多い、誰がどの勢力側か分からなくなる、といったところ。初めての時は物語に集中できませんでした…。現代版侠客物とも言っていい「仁義なき戦い」もきっと登場人物多い、勢力図を理解することが大事なのは自明。ならば、予習しておきましょうよ、と。
先週第一作目を見直しましたが、シリーズものなので、大きな流れと主な登場人物を思い出すことができてよかったです。
さて、第二作目。
ああ、そうだった。思い出した。
と、同時に、講談版では主要な物語にフォーカスし、口演用に編集されていることがわかりました。当たり前といえば当たり前ですが、比較してみると物語構造が見えて興味深いです。
講談版は、多分初めてでも大丈夫なくらいスマートに編集されていたし、映画を知っている人にとってはなるほどと思えるような補綴がされていました。
気づいた編集点
・物語の流れを全体的に再構成している
・場面の移動、省略、それらをつなぐシーンやセリフの補記
・登場人物の割愛(シリーズ全体での主人公広能昌三は登場しません。マジむかつく山守も出てきません)
・時代的に理解しがたくなっている戦争背景や、当時の習慣の説明を加えている
これらの編集により、第二作の主人公である山中正治と靖子に焦点が当てられ、より明確に物語が伝わりやすくなっていると思いました。
そして講談と親和性が高い題材だと感じました。
・モデルとされる事件がある(≒実録物である)
・場所や時代が特定されている
・義理や人情を重んじる侠客物である(時代的な差異はあるが)
・講談の侠客物と共通するその世界独特の言葉が登場(花会、貫禄、売り出すなど)
元ネタがあって作られる新作講談、興味深いです。
さて、そろそろまとめ作業にかかりたいと思いますが、ちょっと困ったことが。作業を進めながら考えてみたいと思います。
あらすじだけではなく、人物相関図も作ってみようかな?
荒神山のとき、自作の人物相関図を作ってとても理解が進んだので。ああ、清水次郎長もまとめたくなってきた。でも、それはまた別の話。
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