2023年版講談本出版点数
みなさま、こんにちは。
いつまで続くの?という暑さから一転、急に秋めいてきました。今日は冷たい雨が降っています。体調管理、注意ですね。
さて、今日は講談の本に関する話題。
2021年に書いたブログの更新版となります。
2023年に至り講談本の出版点数はどうなったでしょうか?
今回はちょっと頑張って、前回よりもより詳しい調べ方をしてみました。
(調査概要はブログ最後をご覧ください)
まずは、こんな本が出ていたのか!という驚き。
わたしが気になったのは旭堂南湖先生の同人誌。2004年に2冊でています。最近では個人での同人誌、zin、文学フリマなど手軽に個人での執筆活動ができようになってきましたが、約20年前にこんな同人誌が出ていたなんて!ぜひ読んでみたいです。
これから出る本で注目といえば、2023年10月に出版予定の「講談辞典」(瀧口雅仁/著 丸善出版)。内容紹介や目次を眺めているだけでもうっとりしてしまいます。
つぎに、講談界の出来事が出版にも影響していること。
名跡襲名、人間国宝認定。それから地道な活動が実を結んでの(芸協ユニット「成金」)での盛り上がり。それらを総合しての名著復刊(「本牧亭の灯は消えず」「桂馬の高跳び」)、アンソロジー出版、講談漫画への広がり。世の中と講談のうねりを感じます。
来年には宝井梅湯改め四代目宝井琴凌襲名、神田真紅改め三代目松林伯知襲名が控えています。これからの展開に大いに期待しています!
そして、社会的な出来事の影響。
東日本大震災という世の中がどうなってしまうのか…という2011年から数年は出版点数がガクンと減ります。演芸どころではなかった、ということでしょうか。そう思いました。そう思ったので、落語本もさぞや…と調べてみたところ、2011年は50冊以上も出ている!「隔週刊落語昭和の名人完結編」(小学館)や「談志の落語」(静山文庫)などの全集が刊行されたことが大きかったのだろうとはいえ、さすがの差を思い知らされました…。
世の中と関わりながら、講談が動いていく。
講談が動くことによって、世の中に響いていく。
ひいき目かもしれませんが、今回の調べものをしていてそんなことを感じました。(壮大だな!)
<調査概要>
国立国会図書館オンライン(NDL ONLINE)利用して調査。
資料区分を図書に、件名講談(後方一致)、分類779.12などで絞り込みをかけて出版点数をだしました。
これら機械的に抽出できる図書以外にも、講談に関連する本も人力で拾い集めました。例えば、講談界を舞台にした漫画「ひらばのひと」、内容は講談とは関係ないけれど講談師の方が著作にかかわっている本など。
人力部分に関しては精度に欠ける点があると思われます。ご容赦ください。
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