2023.8.17 南陵忌
みなさま、こんにちは!
毎日の暑さにも、もう飽き飽きですね。体調など崩されていないでしょうか?
さて、久々のブログは大阪編です。
夏休みに南陵忌(講談会)へ行ってきました。なみはや講談協会主催のこの会へ行くのは初めてのわたし。はやる気持ちと若干の緊張。
会場は大阪メトロ谷町線の四天王寺前夕陽ヶ丘駅から徒歩2分の光照寺。
このあたりはお寺がすごく多いのですね。地図のお寺マークの数を見て驚きました。
お寺近くに来ると、なみはや講談協会のオレンジの幟が見えほっと一安心。
初めて行く会場は、場所の確認はもちろん、座敷か椅子席か?トイレは?仲入りはあるのかな?終演予定は何時?など心配性になってしまうわたし。
こちらの光照寺さんは椅子席。100席近く作れる可動式でしょうか。長い時間になるとやはり椅子席が楽ですね。トイレは複数個所に分かれてあるようです。
最初に番組構成の案内(4席、仲入り、3席)があり、仲入りでは会場内の温度設定が問題ないかの声掛けがありました。こういう細やかな対応は大変だと思いますが、心配性の客(=わたし)としては助かります。
前置きが長くなりましたが、本題へ。
受付は南海先生のお弟子さんの一海さん、それから旭堂左南陵先生のところに今年5月に入門したばかりという左燕(さえん)さん。鱗林さんがお迎えをしてくださいました。こちらで受付とお配り物の和菓子を頂戴いたしました。
開演15分前に左燕さんの前講が始まりました。
これが空板!?バフンッ!
南陵忌
2023年8月17日(木) 18:30開演 20:30頃終演
光照寺(大阪市天王寺区上汐)
旭堂左燕「三方ケ原の戦い」
ご挨拶
旭堂一海「加藤孫六馬の出世」
旭堂鱗林「出世の白餅」
旭堂南湖「難波戦記 真田大助駿府の使者」
旭堂南鱗「太閤の風流」
-仲入り-
旭堂南海「宮本武蔵 二刀流開眼」
旭堂南北「男の花道」
旭堂南華「大名花屋」
冒頭の御挨拶では新会長・南華先生を中心に、団体の法人化、会長交代、これから目指すことなど、終始なごやかな雰囲気ながらも一致団結した想いを感じました。客席のわたしも背筋が伸びるような気持ちです。
ご挨拶に立たれているなみはや講談協会の皆さんを見ていたら、おひとりおひとりの頼もしさを強く感じました。小さな団体だけにそれぞれの役割ややるべきことをしっかり任じられ、独立独歩の個性を持ち、そして笑かしてくれる(ここ大事!) 強い。強いぞ。まるで、なみはやアベンジャーズだ。
5月に入門されたばかりという左燕さん。
この頃の落語の前座さんは器用で上手な方が多いという印象ですが、講談と浪曲はいわゆる前座らしさを感じます。それを見ていると、上手になるってどういうことだろう?どういうところに上達を感じるのだろう?ということを考えたりします。
講談でいうと、特に一定の調子を保つ修羅場調子の難しさ、調子の切り替えの妙、一席を読み切り最後まで気持ちが折れないこと、客席との向き合い方、そんなことを最近考えます。というか、全力で応援したくなります!!! そして講談の前座さんの一席ごとの成長がすごくて、感動してしまうのはわたしだけでしょうか。
みんな大好き一海さん。
「加藤孫六 馬の出世」は初めて。加藤孫六って誰? 賤ケ岳の七本槍、七将の一人だよ。そうなんだ。いつもながらわたしの歴史無知。とはいえ、ところ変われば品名が変わるのとおり、上方にくれば出会う読み物なのかもしれません。
藤井聡太名人の就位式での祝辞が大評判の鱗林さん。
「出世の白餅」もお初。藤堂高虎の話。またもや歴史迷子になりそうですが、一つの出世譚としてたのしみます。やはり太閤記周辺は上方講談という気持ちが高まりますね。
今年本をご出版された南湖先生。
「大助駿府の使者」は難波戦記のひとつでよいでしょうか。太閤記と難波戦記がごっちゃになりそうです。がんばれわたし!でも大丈夫。笑いが多く、置いてきぼりにならずにたのしみました。講談のみならず実話怪談の語り手としても活躍の南湖先生。7月に行った「都市伝説展」の2020年以降の実話怪談ゾーンでは南湖先生を思い出していたわたしです。
大好き南鱗先生!
「太閤の風流」。これは聴いたことがある(ような気がする)。神田春陽先生の回のゲストなどだったか。話に入る前に、自身の話題から東西講談界の現状を短い言葉で冷静に総括するようなくだりがありました。南鱗先生の「貧乏業平」でまた爆笑したいです。
いつもブレなしの南海先生。
おや?この読み物は! 姫路城での武蔵と刑部姫の戦い?は以前なにかの絵で見ていて、いつか聴いてみたいなぁと思っていたものです。何年かぶりの不意打ちに記憶の扉が開きました。南海先生は講談での実演もさることながら、実地調査や調べものをみっちりされている様子で、わたしも見習いたいです。見習ってお前は何を目指しているのだ?と言う感じですが、調べものが好きなので…
たのしみにしていた南北先生。
どんな声なんだろう?どんな読み物なんだろう?ワクワク。時間が押しているのか短く切った高座でしたが、地味あるお声で冷静訥々と読まれるいぶし銀という印象を持ちました。次はたっぷりお聞きしてみたいです。協会内の愛されキャラということは分かりました!キュン
トリは南華先生。
出てくるだけでパッと高座が明るくなります。お名前の通り“華“があります。これからの東京の講談界は長らく陽子先生をはじめとする女流講談師がつないできましたが、上方ではこれから南華先生が頑張っていかれる。ご苦労も多いんだろうと想像に難くないゆえに心の中で小旗ふりまくりです。南華先生の梅若伝説の講談がまた聴きたいな。
ひとしきり興奮して大満足で終演。
2時間半の長丁場、たくさんの番組が並びましたが、講談の骨太さと上方ならではの当たりの柔らかさ、笑いが絶えずテンポよく進み、最後まで疲れることなくたのしめました。
光照寺から地下鉄までの短い間に、蚊にぼこぼこに喰われましたが、そんなのいいんです。なかなか来ることのできない大阪、しかも南陵忌に今回寄らせていただき、たのしい時間を持つことができて、とてもうれしかったです。
ありがとうございました!
Comments