講談と浪曲で聴く「天保水滸伝」
10月22日土曜日、千葉県の東庄町で開催された、講談と浪曲の会へ行ってきました。
東庄町ってどこ?
ここです↓天保水滸伝のふるさとです。
千葉県香取郡東庄町笹川(かとりぐん/とうのしょうまち/ささがわ)
講談と浪曲で聴く「天保水滸伝」
東庄町公民館大ホール
主催:大利根にぎわい座
神田松之丞「鹿島の棒祭り」
玉川太福「笹川の花会」
-仲入り-
玉川奈々福 「亡霊剣法」
神田愛山 「三浦屋孫次郎の義侠」EndFragment
講談の神田派、浪曲の玉川派(という言い方でいいのだろうか?)にとって、天保水滸伝はお家芸なんだそうです。得意芸として代々大切に受け継いでいる演目とのことで、ご当地でこのような会が開催されることは晴れがましいことだと演者のみなさんはおっしゃっていました。史実に基づく演題だからこそのご当地、実在の登場人物たちの子孫がいるわけで、講談の特長ともいえるのですね。
町おこしの一環として自治体(東庄町)の支援が入った公演だったようで、町長さんのご挨拶もありました。この日の町長さんのブログは写真も多く、充実の一日だった様子がうかがえます。
講談、浪曲それぞれの良さ、たのしさがあふれた2時間半。熱演の高座が続き、なんと終演時間を30分も超過するほどでした!
わたしは母と一緒にこの会に伺ったのですが、演芸慣れしていない母が心配でした。もしかして途中で飽きる…?講談で寝る…? しかし、わたしの予想に反して「すごくよかった!とくに最後の講談がよかった!聴き入った」とのこと。おお!帰り道、散歩中の母の知り合いに会ったのですが、母は「講談良かったよ!」と自慢していまいた。笑。そしてその知り合いの方も「講談って一度聴いてみたいと思ってたのよね」と。ぜひ次回は一緒に!なんて盛り上がっていました。うれしい。
もうひとつ気がかりだった会場の音響。響きがよくて語り芸にはあまりむかないような気がしていました。浪曲と講談なのでマイク調整もしっかりしてほしい。とくに講談の時にマイク音量が小さいのは致命的。響くし、音が小さいと何を言っているのかわからない…。。でも開口一番の松之丞さんの調整で、やや小さめだった音量が、聴き取りやすい大きさになりました。客席には高齢者も多かったので、ありがたかった。(でも浪曲のときにはやや大きく感じられたかな。専門の音響さんがいなかったのだろうし、難しいね。)
とにもかくにもにぎにぎしく、充実、晴れやかな公演でした。町の活性化事業ということなので単発で終わることなく、広がりのある活動を祈っております。
また、地方在住者にとって生の演芸にふれることは本当に一大イベントなのだと感じました。”たのしみに待つ”ことの愛おしさ。東京で暮らしていると、毎日どこかしらで開催されている演芸。とても贅沢なことなのだと思い知りました。
いろいろな意味でたいへん意義のある時間をすごすことができました。みなさまありがとう!